2012.02.14.Tue(19:20)
『アンストッパブル』(2010)監督: トニー・スコット
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昨年劇場で観て、今回BS放映にて再見。二度目でも実に手に汗握り面白い!
暴走列車を停めるという太い軸をシンプルでコンパクトに描き、バランス良く人物を配置し、二人のヒーローのバックグラウンドもそつなく入れ込んでその後の道筋もつけるという職人芸。
それだけのことが99分というちょうどよい時間に詰め込まれている。
絶対のオススメ作。
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2012.02.14.Tue(19:05)
『雨に唄えば』(1952)監督:ジーン・ケリー / スタンリー・ドーネン
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いわずと知れた名画と謂われる一作である。とはいえなんの期待もなく観たのだが、結果自分にとって、これまでこの映画を観てなかったことで人生の損をしたと悔やまれる程の作品となった。
底抜けに楽しくおしゃれでゾクゾクするミュージカル。
残りの人生であと何回この映画を観られるのだろうか。
辛いときや苦しいときが訪れたらこの映画を観て楽しもう。
心の特効薬になりそう。
2012.02.03.Fri(19:40)
『カッコーの巣の上で』(1975)監督:ミロシュ・フォアマン
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一度観始めたら、グイッと持っていかれる系もしくは掴まれて放されない系の作品。ジャック・ニコルソンを始めとする役者陣の演技が素晴らしすぎる。
そしてこれみよがしでない自然体の演出が作品に深みを増している。
もういまさらあたりまえだが傑作。BD特典の未公開映像集を観ると、物語の背景を説明するシーンがことごとくバッサリ切られているのがわかる。
たとえば病院側が規則ずくめであり、罰則としてまず電気ショック、その上に「例の」処置があることなどがはっきり映像で示されたシーンや患者達のプロフィールを簡単にスケッチしたシーン等。
それらのシーンがあった方が絶対解りやすくなる筈だし、それらを加えた完全版を観たい思いもないではないが、バッサリとカットされている所に編集の意図をしっかりと感じる。
すべてを明確に描けばいいってもんではないという当然の事実を思い知らされた。
2012.02.03.Fri(19:05)
『シリアスマン』(2009)監督:コーエン兄弟
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日本公開が遅れていたコーエン兄弟の前作。個人的には傑作だと思うのだが『トゥルー・グリッド』に比べてあまり話題にならなかったし、評判も聞かなかったなあ。
脚本・撮影共に好みにビシッと嵌まった。
不条理コメディと一言で切り捨てるには勿体ない内容で、ちょっと不条理な巻き込まれ型的な展開だったりもして《ユダヤ版ノンSFなディック》という趣があるとも思ったんだけどもあまり同意は得られまいな。
これまた出てくる役者の顔が全部イイ。
撮り方なのかなあ。
冒頭に呼応してカチッと世界が閉じる感じがするラストもいいね。
2012.02.03.Fri(19:00)
『スーパー!』(2011)監督:ジェームズ・ガン
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昨年見逃しておりそのことが悔やまれた作品。とりあえずかなり好き。どこがって云われるとしばらく考え込んでしまうんだけど、僕の場合、テーマというよりその語り口に惹かれたかも知れないなあ。
正直、人によってはかなり「引く」内容の映画だと思うので薦めにくいのだが、予想通り昨年公開作のベストに入れたくなる作品であった。『キックアス』が引き合いに出されることが多いし、実際、観たら思い浮かべざるを得ない内容ではあるんだけど互いに補完するような関係にあるというか、ある意味無関係というか。
僕はどちらも好きなんだけど。
まあ、なんたってエレン・ペイジのイカれ娘っぷりにシビれるw。
いやイカれ娘なんて生易しいもんじゃないな、あれは。
まさにキ印。
キ○ガ○だがチャーミング。
主演のレイン・ウィルソンのブチャムクレ顔も素晴らしい。
渋い。
カッコいい。
んでまた音楽もイイ。
2011.12.27.Tue(20:40)
『ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』(2011)監督:ブラッド・バード

シリーズ最高作と評価する人をちらほら見かけるのも頷ける出来。
オープニング完璧。特に例の超絶カッコいいタイトルバックで八割方傑作と確信。
そこからダレずに中盤まで見せ場が連綿と続き息つく暇もない。後半も結構大がかりな見せ場なのだがそれが霞んでしまう程だ。
だからと言って大きな不満を感じることもなく、これだけ楽しませてくれれば文句のつけようもない。
(敢えていえば、立体駐車場のアクションは個人的にはもうひとつだったかなー。狙いは判るけどもちょっとアザと過ぎたかと。)
また、シリーズのファンへのプレゼントのようなラストもいいね。
これまでのシリーズの中ではもっともチーム感が出てることも面白みが増した要因かと。
イーサンメインであることに変わりはないが、彼に絡みつつ他のメンバーにもそれぞれしっかりと見せ場が用意されている。
なかでもサイモン・ペッグの重用はシリーズの雰囲気を明るくしてくれた。
こうなるとさらに続編も見たくなってくる。
2011.11.24.Thu(19:25)
『ミッション:8ミニッツ』(2011)監督:ダンカン・ジョーンズ
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同監督の前作『月に囚われた男』と同様に何かに「囚われた」男の話であり、作品として双子のような関係にあるともいえる。アップを多用した映像とテンポの良い進行に終始引き込まれ、仮のラストでホロリとさせられた。ちょっとあざといようでもあるけど、ここに至る話の持って行き方はサブキャラの使い方含めてなかなか卓越していたと思う。
ここで終わってもいいのでは、と思わせたがその後を続けたのがこの監督の真骨頂であり、この作品を単なるおとぎ話で終わらせていないところであろう。僕は鮮やかな映画だと思ったが、ネット上で感想を散見するにタイムパラドックスがどうのと文句をつけている人をちらほら見かけてガッカリする。
リフレイン系の話には違いないんだけど、過去を改変して云々という話ではないはずなんだけどな。時間はテーマではあるのだが仕掛けではない、というか。パラレルワールドではあるんだろうけど。
ただそのあたり、SFにあまり慣れていないとわかりにくいと言われればそうなのかもしれない。
あと、サスペンスチックなこの邦題で確かに客は呼べたかもしれないけど、原題「Source Code」の方がよりシンプルで含蓄の深いタイトルだよなあ、やっぱり、と思ったり。
しかしダンカン・ジョーンズ監督、まだ第二作だけどもキッチリ面白い映画を撮ってくれる監督だと実感。しかも実にSFマインドに溢れている。信用できる男だw。
量子力学的なアイディアの取り入れ方で最先端のSF作家グレッグ・イーガンを思わせる部分もあったりしてまさに頼もしい限り。
前作に引き続き今作も、どんどん深みにはまる話になりがちなところを1時間半程度でさらっとまとめてあるところにも好感が持てる。その上で多少モヤモヤ感(余韻)も残すところがニクいなあ、ホント。
2011.11.24.Thu(19:00)
『英国王のスピーチ』(2010)監督:トム・フーパー
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ご存知、第83回アカデミー賞作品賞受賞作品。
やや地味で単調な感じもする冒頭だが、安定したカメラワークに支えられつつ俳優陣の高度な演技に導かれ段々と作品世界にガッツリ惹き込まれる。
落ち着きはあるが重厚というよりむしろ軽妙な口あたりなので、気軽な感じで観て楽しむことができると思う。
主演男優賞を獲ったコリン・ファースはもとより、助演男優賞を逃したジェフリー・ラッシュも実によい。この人はこうやって見ると前田武彦の風貌に近いものがあるね。
複雑な混沌とした時代の史実から抽出したシンプルなストーリー展開が非常に効果的であり、その語り口が鮮やかだ。
観終えた後にしっかり満足感が残る。
2011.11.15.Tue(21:14)
『電人ザボーガー』(2011)監督:井口昇

電人ザボーガーには実は思い入れが強い。
子供の頃、真剣にリアルタイムで見ていた特撮ものの中でも最後期の方に近かったが毎週楽しみにしていたし、ビープロ作品の独特の雰囲気も大好きで、毎号買っていた雑誌「冒険王」で特集記事や漫画も一生懸命読んでた。
再放送は名古屋では後年一回あったかなあ。なんか朝にやってたような気もする。(それは本放送の最後あたりだったかもしれない。調べてみたら枠移動が繰り返されていたようだ。)
以来、ビデオとかでも一度も見てない。
その状態のまま、ひさびさの再会を楽しみに劇場に出かけた。
同じような思いを抱いてやってきたであろう同世代のオヤジ達のみでなく、若い男女等も含めて劇場はほぼ満席。
とはいえ井口監督のこと、単なるリメイクではあるまいと思って臨んだのだが、その予想はいい意味で裏切られたといえよう。
この作品、パロディのようでいて実は結構忠実なリメイクであり、また、オリジナルのテイストを細かく維持しているようでいてそこかしこに巧みに井口監督テイストを散りばめているという絶妙なバランスの上に成り立っており、そこから醸し出される魅力がなんとも言いようがない不思議な感動を与えてくれた。
オリジナルのキャラやアイテムもふんだんに出てくるので旧来のファンにはたまらんものがある一方、オリジナルの(ビープロ特有の)安っぽさを生かしつつも、「やや トランスフォーマー状態」ともいえるバトルシーンがあったり、「○○化」した女子アンドロイドの登場とか意外にもリッチな特撮表現が使われており、現代の新しいファンの目をも楽しませてくれる。
総じて観れば、井口作品特有の過剰なものがすべて作品内で回収されており、意外とスッキリした観後感。
役者陣の熱演と監督の演出のベクトルがガッチリと拮抗し、竹中直人のこの種の作品に出るときの例のワルノリ気味の怪演すら作品世界からまったく浮いていないというのがその一例であろう。
大門役の老若二人ももちろん良かったし。
そして藤山律子に少年期のリビドーを刺激された身にとっては、ミスボーグの山崎真実は、どストライクであった。好演!
エンドロールを迎えても誰一人席を立たなかったというのを見たのは久々だな。愛すべき傑作。
2011.11.15.Tue(21:02)
『塔の上のラプンツェル』(2010)監督:バイロン・ハワード、ネイサン・グレノ
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いやあ、堪能した。
お姫様アニメと思って敬遠してると絶対損する。
最高の技術で描かれる「アニメーションで表現できること」がすべてここに詰まっている。
Blu-rayの最高画質が生かされる画面表現に目が釘付け。
これなら3D劇場版でも観たかったと思わされた。
お話もよくこなれていて文句なし。