2012.02.27.Mon(19:25)
『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』(2011)監督:入江悠
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いやあいいね。変格なようでいて正しいバンド映画。
僕も以前勘違いしていたのだが、ドキュメンタリームービーではないので念のため。
だからバンドとは関係のない将棋指しの女子高生の話と父親と別居中でポールダンシングと清掃のバイトで生計をたてる母子の話、そしてバンドに方針転換をさせ大きく当てようとするプロデューサーとそれから守ろうとするマネージャーの話が並行して進行する。
それらエピソードがラストのライブシーンに向けて収束していくところなんかが律儀で正しい。
またそれぞれを描き過ぎてないとこなんかも品がいい。そこを物足りない、と取る向きもあろうが。
二階堂ふみは『ヒミズ』よりこっちの方が断然いいな。魅力的である。
森下くるみも自然体な演技で良かったわ。
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2012.02.27.Mon(19:10)
『メタルヘッド』(2010)監督:スペンサー・サッサー
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ナタリー・ポートマン製作・出演。
ジョセフ・ゴードン・レヴィットが正体不明傍若無人の長髪のメタル野郎を演じる。
その謎の男が母親を事故で亡くし鬱屈する少年の家に何故か住みつく。
行動原理のわからない挙動を繰り返す彼が少年に及ぼした影響とは...。
という内容。
なかなか面白かった。思わぬ拾いもの。
この監督の名前は覚えておこう。
しかしこれって、いわゆる「ドラえもん」だよねー、とか思って観ていたら、ネット漁ってたらと同じ事書いてる人がいて、ですよねー、みたいな。
ま、「ドラえもん」っていうか、藤子作品のいわゆる居候ヒーローなのよね、その存在が。
原題Hesherはその彼の名前。
「メタルヘッド」って放題はなんかニュアンス的に微妙だよなあ。逆に変な固定観念を与えかねないのでヘンに意味を持たそうとせずに「ヘッシャー」で良かったんでは。
2012.02.27.Mon(19:05)
『デス・プルーフ in グラインドハウス』(2007)監督:クエンティン・タランティーノ
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ラストシーン見終わって、大爆笑。まったくもって喰わせもんだよなあ、この監督は。
ネエちゃん達の延々としたオシャベリ部分をバッサリ行けば30分は、いや今の半分ぐらいの時間に出来ると思うんだけど、タランティーノだからしょうがない。
それでもやっぱりいささか長すぎるなあ。
公開当初の2本立てバージョンだともっと短かったとか。そっちで観てみたかったかも。ま、それにしても内容に関するバランス感覚は見事だね。
2012.02.24.Fri(20:35)
『大鹿村騒動記』(2011)監督:阪本順治
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原田芳雄を始めとして、大楠道代、岸部一徳、石橋蓮司、松たか子、佐藤浩一等々、芝居巧者揃いでグウの音も出ない演技合戦ではあるが、それが息苦しくなく最後まで心地良く観られるのは、まったりとツボを微妙に外した物語のせいか。
その中で違和感ありまくりのオカマの彼(冨浦智嗣)が全体に妙な異化作用を起こしており、重鎮にしてチョイ役の三國連太郎の存在と共にこの映画の絶妙な隠し味となっている。
2012.02.24.Fri(20:30)
『アジョシ』(2010)監督:イ・ジョンボム
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うん、評判通りこれは面白い! 非常に質の高いエンタメといえよう。
いや、かなりドギツいバイオレンス描写満載だし、人体売買・麻薬取引に児童を絡めるなど相当にダークなテーマを扱っているわけだが、意外に爽快な後味。
じめじめしてない。
ラストの目玉のくだりとか、くどくど説明しない抑制の効いた演出もイカす。
2012.02.24.Fri(20:10)
『世界侵略: ロサンゼルス決戦』(2011)監督:ジョナサン・リーベスマン
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予想よりも面白かったじゃんか。あれこれ難しいことは考えずに、ドンパチを楽しんだが勝ちの映画。やや設定が似ているとされた同時期公開の『スカイライン』には、話自体は全然似てないね。
そちらの素材を盗まれたってのが本当ならお気の毒。
この映画でのアーロン・エッカートはハリソン・フォードの趣きもちょっとあって渋かっこいいね。
2012.02.24.Fri(20:05)
『アパートの鍵貸します』(1960)監督:ビリー・ワイルダー
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ふむ、邦題どおりの内容の話なんだねえ。
要約してしまうとさほどたいした話じゃないような気もするんだけど、そこそこ長時間を巧みな脚本と主演二人の魅力で飽きさせない。
シャーリー・マクレーンの個性が光る。息の長い女優となったのも頷けるよね。
もちろん、粋なラストにはグッときた。
2012.02.14.Tue(19:30)
『ヒミズ』(2012)監督:園子温

元々がインパクトあるマンガ原作を角度が違うインパクトで塗り替えた園子温印の一作。だがその園印インパクトが今回やや物足りないか。
その中でも一番グイグイ迫ってきたのは、父が子に対し、実に愛おしそうに存在否定の言葉を放つシーン。
父を演じる光石研が嬉しそうにやり倒し、カメラはどアップでその様子を映し出す。
園作品においては、ぼくはその箇所のようなわけのわからない情動が見たいのだ。
自身が街中を狂おしく走り回った初期作『自転車吐息』同様に主人公を街に解き放ち狂おしく徘徊させるわ、『愛のむきだし』でヒロインが聖書の一節を詠じたようにヒロインにヴィヨンの詩を詠じさせるわ、前作『恋の罪』に引き続き呼び込みセールのセリフをリフレインさせるわ、やってることはこれまでの園子温と変わらないのだが、「震災」なるものを取り込んでしまったがためにそこに「意味」が発生し、焦点がボヤけてる。
とは思うのだが、しかしあれも園作品に付随する夾雑物のひとつ、と思ってしまえば、まあ、そういうもんなのかな、と。
その意味ではあの程度の扱いにかえって「怒る」人がいるのもわかるし、原作ファンが鼻白むのも理解できるのだが、僕自身はマンガ原作もの映画としてはある意味評価に値するかも、という気はしている。
キャラも違うし雰囲気も違うし異なる部分は山ほどあるのだが、一方ではセリフやシーンがかなり忠実だったりもして、その原作の取り入れ具合とオリジナリティの付与具合が腑に落ちる出来。
原作どおりに映画化するのが、正解というわけではないという意味においてだが。
反対意見は認めるが、僕も原作読んで原作自体が好きになったものの一人でもある。
それでもラストはああせざるを得ないでしょう、「震災」を取りいれてしまった以上。好みは別として。
2012.02.03.Fri(19:35)
『黄金の七人』(1965)監督:マルコ・ヴィカリオ
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WOWWOW無料視聴お試し期間中に『黄金の七人』シリーズ3本が放映されていたのですかさず録画。HD画質?なのかどうかよく知らないけど、一作目を久しぶりに再見。
やっぱ最高に面白いんだけど、後半の裏切り劇が意外とあっさりテイストなのに気づく。
前半の銀行から金塊を盗むシーンはかなりねっとりじっくりやってくれてるんだけどね。
ま、後半部分は時間も短いんでちょっとあっけない。でもマイフェイバリットであることには変わりないよ。
今回のWOWWOW「黄金の七人」シリーズ一挙放映では、佳作と噂で今入手もしにくい『新・黄金の七人 7×7』だけやってくれなかったのが残念。
『エロチカ大作戦』はまだ見てないけど先日入手したばかりだったんだよなー。
2012.02.03.Fri(19:25)
『荒武者キートン』(1923)監督:バスター・キートン / ジャック・ブリストーン
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これまでしっかりとバスター・キートンの映画を観たことがなかったかもしれない。
体技ギャグの王者という印象は持っている。
前半はのんびりしたムードの穏やかなギャグの流れにあれキートンってこんな感じなの? とぼんやり眺めていた次第だが、崖のシチュエーションから滝へ至る奇跡的なスタントの連続に、まさにあっけにとられてラストまで画面を凝視し続けることになった。すごいわ、これ。
古い映画と侮るなかれ。