2010.04.13.Tue(00:00)
『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』(2010)監督: 三池崇史
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てことで、二作目の試写に行って参りました。
公開前なので控えようかと思ったけども感想を書いときます。
ネタバレはしてない筈だけど、見るつもりの人はさらっと流しておいてね。
仲里依紗が一番の見所であろうという予測は完全に当たっていた。
しかし、ここまで推してくるとはなあ。プロモPVが2本まるまる入っちゃってるし。
どういった経緯でこうなったのかなあ。ゼブラクィーンのビジュアルが完成した時点で推すっきゃないってことになったんだろーか。
てわけで、ま、彼女目当ての人は完全に堪能できる。
哀川翔を差し置いての主演といっても差し支えない程、出突っ張りだし。
その哀川翔は今回、完全にワリ喰った役回り。白を強調したメイクファッションで老けてみえちゃってるのがさらに気の毒。
三池節は今回も全開。
前作を見て恐れていた通り、ヌルヌルなものが産まれてくるモチーフも身体の中に別の人間が取り込まれているというモチーフもやはり出てきたよ、まったく。
それにしてもこれが撮りたいのだとしか思えない強烈な作家性だ。
あと、クドカン脚本は今回ちょっとひどいんじゃないかね。
全編ある意味ギャグのつもりで書いてると思うんだけど、三池演出がギャグシーンとマジシーンを切り分けちゃってるので、マジシーンのセリフが寒い寒い。
あまり相性がいいとは思えない。
これがやりたかったんかい! というラスト近くのギャグや、ある意味落語的なオチのくだらなさは否定しないのだが、ちょっとずつ空廻っちゃってる感じかなあ。
前作は、ちょっとクセのある役者陣の演技が、好き嫌いはともあれ、割と見どころのひとつだったんだが、今作はあまりその辺りが楽しめない。
メイクしたガダルカタルタカは最近の太ったジュリーにしか見えないし、ココリコ田中は演技が浮いてる。
哀川翔までこころなしか生気がないように見える(まあ、今回そういう役ではあるのだが)し、全体的にシャッキリしない。
仲里依紗に全部喰われてしまっているといえるだろう。
あと前作とはほとんど独立しているとかいう話を聞いていたのだが、ストーリーとしては完全に前作を受け、繋がっている。
しかしながら前作見ないと話がわからないとか楽しめないということでもないところがミソかな。
テイストははっきりとかなり違う。
『ヤッターマン』を通り抜けた『ゼブラーマン』が今回の『ゼブラシティの逆襲』といったところか。
2010.04.12.Mon(00:00)
『あの夏、いちばん静かな海』(1991)監督:北野武
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こんなセリフも少なくシンプルなストーリーなのに、飽きずに画面をじっと眺めていられるってのは、凄いんじゃないか、と見終わった後に思った。
しかも役者が凄く上手くて演技バトルが繰り広げられてるとかでもない。
その大半が素人同然の演技と云えよう。
それなのに、ハマってるんだよなあ。
サーファー達の何気ない会話、主人公達のちょっとした表情、そして音楽、さらに空間、間、静けさ。
そんなものでこの映画は出来ている。
余分な説明なしで、淡々と、あくまで淡々と進んできてのラストの回想的シーンは、蛇足と感じる向きもあろうが観客にシンプルな感動を呼び起こす。
監督自ら「あれはサービス」と言ったという意味もよくわかるというものだ。
後々、時折思い返すであろう映像作品。
2010.04.11.Sun(00:00)
『ロシアより愛をこめて』(1963)監督:テレンス・ヤング
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007順に消化シリーズ。第2作。
野暮用で途中で止めて二日に分けて見るはめに。
そのせいかもしれぬが、さほど面白いとは思えぬなあ。いや、つまらなくはないんだけど。消化不良気味。
見せ場はそれなりにあるが、今の感覚からするとすべて小粒と云えよう。
エンドマークが出た時には「これで終わりかい」と思わず突っ込んでしまう程のあっさり加減。
あそこの時点から女スパイを巡って二転三転というのが昨今のパターンでしょうな。
しかし、今作の主役は秘密装備満載のアタッシュケースかのお。
2010.04.11.Sun(00:00)
『ゼブラーマン』(2004)監督:三池崇史
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何の気なしに出した試写状があたってしまった『ゼブラーマン ゼブラシティの逆襲』。
そもそも前作を見てないので、慌ててレンタルして見た。
さらりと軽く流すつもりだったのだが、意外に面白くてガッツリ拝見。
基本的には前半部ののんびりぼんやりした雰囲気が好きかなあ。
演技陣としては、防衛庁側のメンツとやり取りがいい味出してる。
なかでも渡部篤郎が個性爆発で、この演技がダメだと全編ダメだろうね。
また、怪人役の柄本明の怪演は光る。
友情出演のウッチャンはもう少し出番が欲しかった。
哀川翔は普通に頑張ってるという感じ。
しかし関係ないが、渡部篤郎と渡辺真紀子という『愛のむきだし』コンビが揃って出ていたんだなあ。
渡辺真紀子は独特の雰囲気があり、首下のみの登場シーンでも1セリフで誰がすぐわかった。
そういう俳優陣のやりとりが面白かったので、後半20分程のCGとゼブラーマンの対決シーンは正直どうでもいい。
どちらかといえば、やっぱ等身大のものと闘って欲しかったかねえ。
オチはあれでいいけども。
クドカン脚本があまり意識されないほど、監督の作家性が出た出来で、特撮が絡んだときにお得意のヌルヌル的なものが出現するシーンも健在。
人体内に何かが取り込まれているという設定がどんだけ好きやねん、という感じ。
これは僕がたまたま見た3作がすべてそうなだけなのか、他でもやってるのか。
2010.04.10.Sat(00:00)
『第9地区』 監督:ニール・ブロムカンプ
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面白いらしいというウワサは聞いていたが、雑誌記事やWeb等を見たりしてそれ以上の情報は入れないようにしていた。
ただ、別の映画を見に行った時に予告編が上映されたので、それは見た。
予告編を見ても、それではこの映画の真価はわからない、というのは見終わってからわかったこと。
上映期間中に劇場で見ようとは思っていたものの、個人的にはそれほどは盛り上がっていないつもりだったのだが、公開初日に急遽むくむくと気持ちが盛り上がり、初日のレイトショーに駆けつけることに。
で。
これが面白かったんだな、非常に。
2時間まったくダレ場なし。
長さを少しも感じることないままエンドロールが流れた。
ストーリーは比較的単純といえば、単純。
特にネタバレ要素はない、ともいえる。
しかし冒頭から「一体これはどんな映画なんだろう」と興味を惹きつける展開で、すなわち作品全体がネタバレ要素ともいえ、つまりはまったく白紙の状態で見るといろいろ驚けてよいかも。だからここでも具体的なことは語らないでおこう。
カット割り、建造物や町全体の撮り方、様々な仕掛け等の見せ方もバツグン。
話の落としどころがウマイ。
すべて収まるべきところに収まった感じでもありつつも、それでいて自由な解釈、裏読みを許すオープンな作りにもなっている。
キャラクターも定型をうまく利用しつつもそれを巧妙に外しており、また外していながらも観客がひいてしまうギリギリの所で留まって期待に応えてもくれる。
つまりバランス感覚が見事。
テーマ性・批評性もいくらでも読み込むことができ、それは浅くも深くも可能。
個人的には明快単純に楽しんだ。
えー、まとめますと、
2時間、まったくダレ場がなく、しかも見る者に多様な解釈の余地を残し、それでいて残尿感のない、希有な作品!
てことで、お見逃しなく。
2010.04.07.Wed(00:00)
『2001年宇宙の旅』(1968)監督:スタンリー・キューブリック
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四半世紀振りぐらいの再見。
再リバイバル上映で、劇場にて『時計仕掛けのオレンジ』とセットで見たっけ。
その時はかなり興奮して見終えた記憶が。
今回は終始一貫してリラックスした冷静な態度で見られた、という感じ。ま、部屋見だし。
緊張感なく見ると、あまりにも展開が悠然としていてうっかりしていると眠くなるw。
ブルーレイの画面はかなり美しい。
すべてがオシャレで画としての質が高い。どこを切り出してもスチールになる、というか。
宇宙船の質感とかもスゴイよなあ。撮り方もいいんだけど。
その満足度が高く、筋は個人的には極論どうでもよかったりする。この映画の意味、とかね。
それは初見の時から結構そうだったかも。
当時はスターゲイトにもの凄くクラクラ来た覚えがあるけれど、今見るとたいして...。
あれで結構トリップしたのになあ。
2010.04.05.Mon(00:00)
『バルカン超特急』(1938)監督:アルフレッド・ヒッチコック
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ヒッチコック作品強化中。って、まだ全然見てないんだけど。
前半のホテルシーンはぼんやり見てしまったが、舞台が列車内に移り、老婦人が消えるあたりから次第に物語に引き込まれる。
イギリス人紳士二人の使い方が秀逸。主人公にとって敵か味方か曖昧なその存在が、スパイス的な役割でありつつもしっかりストーリーに絡んだコメディリリーフとなっている。
ミステリ・サスペンス・アクション・コメディ、といろんな要素が詰め込まれながらも、濃厚べったりではなく、後味すっきりさっぱりのライトテイスト。
愛すべき佳品。
2010.04.04.Sun(00:00)
『大冒険』(1965)監督:古沢憲吾
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クレイジーキャッツの映画を観るなんて、かなり久しぶり。これまでもそんなに数を見てはいないんだけど、この機会に全部見ちゃおうかしらん。
今作は、思いの他の大活劇で、まさに『大冒険』というタイトルに偽りなし。
文字通りのクリフハンガーの連続だったり、馬に、列車に、潜水艦に、ミサイルまで登場してのアクションシーンの連続!
走る列車や車の屋根に張り付いての逃走劇等、植木等の身体を張ったスタント(一部はスタント使ってるだろうけど、本人が絶対やってると思われる映像が多い)にびっくり。
出来たばかりの新幹線を使っての東海道大移動。
途中、思わぬ名古屋登場にニヤリ。
新幹線ホームから駅裏のスゴイ様子が、と思ったが、wikipediaによるとどうやら東京駅でのロケらしい、と。
その後、犬山城とか揖斐川とか、登場するがすげえ田舎扱い。というか、田舎だったんだろうが。
由利徹が警官役で名古屋弁しゃべるのがおかしい。
10周年記念映画ということもあってか、森繁、冒頭にカメオ出演。クレイジーとの絡みはないが。
敵役の越路吹雪は、今だったら戸田恵子の趣きあり。存在感あるなあ。
その敵司令部は、ショッカー基地を思わせる。ま、ルーツが共通するんで当たり前かもとも思うが、絶対影響受けてるぞ、「仮面ライダー」が。
ただ、筋書きはムチャクチャ。というか話の繋がりが単純におかしかったり。
それでも飽きずに楽しめた。
そして、クレイジーが白いスーツで揃って、それまでの筋とは無関係に唄い踊るラストシーンは無駄にカッコいい。
2010.04.02.Fri(00:00)
『ドクター・ノオ』(1962)監督;テレンス・ヤング
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007シリーズ第一作。
これまでちゃんと見たこと無し。
全般的に、割とゆったりした展開。牧歌的、というと言い過ぎか。
ドクター・ノオは、つい先日見たばかりの『燃えよドラゴン』の敵親玉・ハンにそっくり。もちろん後者が意識しているんだろうけど。
見せ場としては有名なタランチュラ・オン・ザ・ベッドのシーンが一番だったかも。
で、まあおもしろかったけども、正直、あまり印象に残らなかったなあ。
2010.04.02.Fri(00:00)
『俺たちに明日はない』(1967)監督:アーサー・ベン
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ブルーレイ版でみたのだが、画質の美しさにびっくり! 40年前の作品が生き生きと迫ってくる。
普段まったく個人的に興味のない自動車だが、出てくるクラシックカーに珍しく目を惹かれる。
作品としてはもう少しヘヴィな話と思っていたが、「楽しく」見ることができた。
映像的には、沙漠のピクニックのシーンの画面の色使いが印象的。
あと、あれこれレビューを漁るとフェイ・ダナウェイを評する時に「けして美人ではないが」という表現をたびたび目にしたが、えー? 十分美人と思うがなあ。