2010.05.31.Mon(00:00)
『プレデター』(1987)監督;ジョン・マクティアナン
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前半~中盤まではそれなりに迫力・緊迫感ともにあり、面白く観た。
コンパクトにまとまっていて余分な要素がないので、軽快感もある。
が、終盤にきて、それまでほぼ一撃でガンガン敵を倒してきたプレデターが、ことシュワちゃんに対しては優遇政策を発揮して、時間をかけてジワジワと追い詰めるという設定がどうにも納得できず。
と呟いていたら、強い相手をリスペクトするプレデターの設定があることが「2」でわかると聞き、半分納得。
ま、確かにそれらしき雰囲気は漂わせているのだけど、はっきり語られないのよね。
もちろん全部説明してもらう必要はまったくないのだが、知らないとシラけちゃう部分はもうちょっとだけヒント欲しいなあ。
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2010.05.30.Sun(00:00)
『用心棒』(1961)監督;黒澤明
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むろん超絶面白い。
人物造形もわかりやすく、構図(作画的にも物語的にも)が明瞭で、画面への没入度がハンパない。
舞台となるゴーストタウンのような宿場町が、見終えた今となっても眼前に立ち上がるかのようだ。
そして三船敏郎がハマリにハマッた三十郎の造型。
カッコイイ、スクリーン映えがする、魅力的、匂い立つ、どんな言葉でも言い尽くせない凄いキャラクター像であり、三船以外がこの役をやるというのはもはや考えられず、リメイクなどを考えるのは即刻やめてもらいたい。(もう遅いけど)
東野英治郎の居酒屋の爺さんとのコンビネーションもまた格別。
もしこの先に万が一、映画がつまらないなあ、と思うようなことがあったら、必ずまたここに立ち戻ってこよう。
2010.05.29.Sat(00:00)
『片腕マシンガール』(2007)監督:井口昇
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痛くないスプラッタというと語弊があろうが、盛大に飛び散る血潮をワハハと笑って見るべき作品。
設定や物語展開のくだらなさを前提に、そのように割り切って見れば爽快感がある。
八代みなせ、亜紗美らの女優陣はお見事。
ストーリーにコメディ要素はないのだが、特殊メイクを多用したコミカルな表現が強いので、シリアスなバイオレンスやアクションをメインに求める向きとかは肩透かしを喰うかもしれない。....ま、このタイトルの映画に誰もそんなものを求めてないか。失礼。
想像していたものよりずっとマジメにふざけた佳作。
2010.05.27.Thu(00:00)
『座頭市物語』(1962)監督:三隅研次
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見てて大変面白い一方、終始なんだか尻の座らない落ち着かない気分。
なんだろう、と考えていて、この物語に登場する人間関係がすべてどこかしらゆがんでおり、それがゴツゴツした印象を残しているのだと思い至る。
冒頭のシーンからしてひねくれている。
旅の途中ヤクザの親分に見初められ、誘われるままにその親分を訪ねてきた市が、やってくるなりイカサマ博打で子分衆から金を巻き上げると、そのやり口を疑い怒りをあらわにする子分衆に対し、めくらをバカにするなと逆ギレしてこんな子分を抱える親分もたいしたことないと悪態をついて出て行こうとする。
腹を立て、やっちまおうぜと子分が表に追って出たところ、帰ってきた親分と市が鉢合わせ。まあまあよう来なすったと丁重に迎え入れると、市は何事もなかったようにその家に草鞋を脱ぐことに。
親分はさきほど市にやり込められた子分にその一切の世話を命ずるのだが、その子分はちょっと微妙な表情を見せただけで、その後おとなしくその命に準じ、按摩の市に入念なマッサージを施したりしているのだ。
かといって、一方では親分も市のことを対立する組との抗争に利用しようとしているだけで、思いやりもうわべだけだ。
市を世話する子分には近くで小料理屋を営む妹がいるのだが、その関係性もけして温かいものではない。妹は友人の女性を孕ませたまま知らん顔の兄を憎々しげに追求するし、兄は兄でその妹を自分の兄貴分に売り渡そうとする。
また対立する組に用心棒として迎えられている天知茂扮する平手造酒と市の関係も妙だ。
互いにその腕を認めて尊敬し合って友情を育む二人が、やがてそれぞれが世話になっている対立する組の抗争に巻き込まれやむなく対決、というのが常道だろうに、直前で市は組から追い出されてしまい駆り出されることのないまま抗争が勃発し、対決の必然性の筋道を途中で断ち切ってしまわれる。
なのにそこにわざわざ市が現れ、結局、造酒と斬り合うのだ。
表立った理由をわざわざ消失させて男達が闘う理由。
造酒を斬った後の市の涙を眺めながら、そこに思いを馳せるのがこの少し奇妙な映画のみどころといっていいかもしれない。
北野映画順番鑑賞シリーズでまもなく巡ってくる『座頭市』に向けて、また公開を間近に控えた香取慎吾版に備えて観たわけだが、純粋に面白かったなあ。
そしてやはり慎吾が心配にw。真摯に取り組んでいるということで、観る前からあれこれ云うのはやめようと思っていたのだが、うーん、これは比較するなというのが無理だし...、ま、やめておこう。ひょっとして、ということもある。
2010.05.26.Wed(00:00)
『ナイト・オブ・ザ・リビング・デッド/死霊創世記』(1990)監督:トム・サヴィーニ
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ゾンビ入門編として古典的名作から、と借りてきたつもりだったのだが、なんとリメイク作だったとは。
初心者にとってはゾンビものは、リメイクからバージョン違いやらパクり作まで似たような名前の作品が乱立しており、なにがなんだかわかりにくい。
これは、ロメロ公認(というか制作に参加)のリメイク作ということだ。
始まって3分も経たない内にゾンビが襲ってくるという単刀直入な出だしからテンポ良く話は進み、オリジナルとは性格が異なるというヒロインが勇ましくゾンビと闘う。
このパトリシア・トールマンが好みだなあ。
ラストもなかなか苦味が利いていてよろしい。
ただゾンビ自体はおそらくリアル度(?)が増しているんだとは思うのだけども、あまり恐怖感とかおぞましさとかは感じず、なんというか「障害物」という言い方がぴったりくるような印象であった。
ノロノロした動きが不気味な感じよりもドン臭さを引き立てており、「鬱陶しいなあ、寄ってくんなよー」「そっち行きたいんだから、邪魔だよ、もう!」って感じw。
いやでも、なかなかまとまった作品だと思った。面白かったし。
ゾンビものにちょっとハマりそうかも。
2010.05.23.Sun(00:00)
『仁義なき戦い』(1973)監督:深作欣二
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むう、超絶面白い。
今まで断片的に観たり知識入れたりしていたが、ちゃんと通して観たのは初めて。
今さら僕などが評価云々するのはおこがましいが、全編間然とするところのない傑作と言わざるを得ない。
ガシャガシャと目まぐるしく、手持ちカメラと思われるカットも多用されているが、なぜか見にくくない。
ストーリー進行は相当飛ばし気味で、画面に出てきてまだあまり馴染みのない登場人物がさしたるエピソードもないまま、チャララーンチャララーンと死んでいく様には、いささか勿体ないなあ、と思ったものの、あの多彩なキャラクターを一人一人たっぷり描き込んでいたら、あのテンションは保てまい、と思い直す。
ラストの文太のセリフに痺れた~。
2010.05.21.Fri(00:00)
『菊次郎の夏』(1999)監督:北野武
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たけしの映画はいつかは観るつもりでいたのか無意識に情報をシャットダウンしていたので、この作品もまったく予備知識なしで見始めた。
タイトルと雰囲気だけで、たけしの子供時代かなんかの話かと思っていた(それじゃ『たけしくん、ハイ!』じゃねーか)のだが、もちろん違っていた。
大変、肩の力が抜けた作品で、いいなあ、と。
子供出してきてズルいなあ、と思いかけたけども、これ、「ビートたけし」が好きな人間はけして嫌いになれないのでは。
ここまでの北野映画の中では一番、我々が馴染み深い「たけし」をここに見ることができる。
折り折りに挟まれるギャグシーンもたけしらしいものだが、『みんな~やってるか!』に比べればアザと過ぎずに見やすいレベル。
そして、朴訥とした子役の演技(演技してない面も含めて)が、北野監督の演出によく合っている。これ、こましゃくれた演技するガキでは感覚的にダメだったろうなあ。
個人的には前作『HANABI』よりこちら。
2010.05.20.Thu(00:00)
『女王陛下の007』(1969)監督:ピーター・ハント
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ショーン・コネリーがいったん退いて、ジョージ・レーゼンビーがボンド役。
イギリス貴族っぽい感じだなあと思ったのだけど、イギリス人じゃないんだね。
馴染みのないボンドでどうなるかと思ったが、コネリーに比べてアクションにキレがあり、クライマックスのVSプロフェルドもなかなか盛り上がった。
ただなんというか艶というかアクのようなものが足りないね。言葉を替えれば「色気」ということになるのかな。
まずまずの佳作かと思うが、僕の好みからは少し外れる。
2010.05.19.Wed(00:00)
『フレンチ・コネクション』(1971)監督:ウィリアム・フリードキン
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眠かったのもあって最初だらだらと観ていたのだが、街中での追跡シーンが繰り返されるにつれだんだんと目が冴えてきて、例の高架下のメチャメチャなカーチェイスで釘付けに。
ジーン・ハックマンもいいけど、やっぱロイ・シャイダーしぶいなあ。ホレる。
途中出てきたクラブでの女性三人組歌手はスリー・ディグリースだったのか。好みだと思った。
そしてすげえラストだなあ、これ。幕切れとしては好きな感じ。
今となってはあちこちでマネされ基本となっている要素が詰まっているのだが、それでいて新鮮だった。
ドキュメンタリー手法のせいで映像の荒れ等もあるが、見にくいようなことはなく、一定の効果を生んでいる。
思いの外好みの一作。
2010.05.18.Tue(00:00)
『サイコ』(1960)監督:アルフレッド・ヒッチコック
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なるほど、こういう構成になっていたのか。
あの有名なシャワーシーンが登場するタイミング、またその意味に深く感心する。
でも、全編としては面白かったけどもそれほど勢い込んで観るべきでもなかったかな。
メイキングでクライブ・バーカーが「この映画を観ていない者もノーマン・ベイツを知っている」と語っている程のアンソニー・パーキンスのアタリ役ぶりが見どころ。
ジャネット・リーもかわいい。