2010.07.19.Mon(00:00)
『インセプション』(2010)監督:クリストファー・ノーラン
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手間暇かけて作られた重厚な作品で見応えがある、と認めたうえでやっぱ夢の話は難しいよなあ、と。
難しいというのは、いかようにも解釈が可能な上にいわゆる「勝手な」ルールが適用可能なので、そこに乗っかれるか乗っかれないかでかなり印象が違ってくる。
そこの部分で今回僕はノリきれなかったようだ。
トランプゲームをやっていたら、途中から地方ルールをその都度どんどん適用されて「しらねえよ、そんなの...。」とたちまちシラケてしまうような感じ、といっておわかりだろうか?
確かに夢の階層構造がわかりにくいというのもあるけど、そこはそれなりに上手に展開されているので個人的には無問題だったのだが。
それと、これを言っちゃあ、という感じもするけど、夢の中だと聞かされた上でいくら派手なアクションを繰り広げられても、いまいち緊張感に欠ける。だって死なないんでしょ。
と思ってると、とある状況に至ると死に等しい状態に陥ってしまうということが説明されるんだけどね。
あ、また新しいルールが、と憤慨するはめにw。
あと、音楽そのものは悪くないしイメージにも合ってると思うのだけど、気がつくとずーっと鳴ってるので段々ウザくなってきたり。
予告編に出てきたようなイメージがなかなかスゴいものだっただけに、それ以上のものを勝手に求めてしまったのもアレだったかな。
この監督には「ドリームマシン」や「逆転世界」を映画化して欲しかったね。あ、『プレステージ』の監督だったね、見ないと。
でも楽しめるところは多分にあったし、ハマる人がいるのもわかるような気がするんだよなあ。
渡辺謙のハリウッドでの活躍を確認する意味も含めて、見て損はなし。
2010.07.17.Sat(00:00)
『回路』(2001)監督;黒沢清
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好きだし良かったんだけど、傑作、と言い切れないもどかしいものが。
途中まではかなり面白かったんだけどなあ。
ま、辻褄が合うことなど求めてないから終盤がグダグダとか言いたくはないんだけどw、それでも膨れあがったこちらの期待をラストまで支えきってはくれなかったといえるかなあ。
でも凄く面白い。
例のワンカットでの○○シーンや、幽霊の歩行シーンとか天才的なんだよなあ。
あと加藤晴彦がこの役にピッタリ。ナイスキャスティング!
そしてこの映画の麻生久美子、割と好きよ。
2010.07.15.Thu(00:00)
『椿三十郎』(1962)監督:黒澤明
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いやあはじめは『用心棒』には劣るかな、なんて思いながら観てたけども、なかなかどうして。
やはり傑作中の傑作でしょう。
終盤の映画的仕掛け(椿を流す前後)と、大ラスの対決シーンには脱帽。
まさしくこれぞ映画。
この三船を越えることができるとは到底思えないのだが、リメイク版がどんなものになってるのか逆の意味でメチャ気になってきた!
2010.07.13.Tue(00:00)
『仁義なき戦い 頂上作戦』(1973)監督:深作欣二
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前作の続きであり、話としてはここでいったん締めくくられている。(どうやら本来は本当にここで終わりの筈だったらしいが、大人気シリーズとなってそんなこと興行が許すはずもなく。)
が、いずれにせよスカッとするストーリーではない。ま、実話が下敷きになってるわけだからしょうがないねえ。
魅力的なキャラである主人公の文太兄ぃが存分に(ヒーロー的に)活躍する場はここになく、その意味では群像劇というより他はない。
「間尺に合わん仕事をしたのう」というラストのセリフ通りの空しさを描く。
2010.07.12.Mon(00:00)
『続・黄金の七人 レインボー作戦』(1966)監督:マルコ・ヴィカリオ
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前作がかなり気に入ったので、またあのメンツに会えると思うとそれだけで観る前からワクワク。
冒頭のシーン、おっとやってますねえ、みなさんという感じ。
で、「キター! ジョルジアちゃん」と思わせてのツカミから一気にあの世界に引き戻される。
前作以上のハチャメチャな展開。
終盤の展開なんてほぼマンガですよマンガ。
それに辟易する人も多かろうが、いや個人的には堪能した。
数々仕込まれたギミックのひとつひとつが楽しい。
暗闇でも見える眼鏡にクルクル回るアンテナがついてたりして、そんなの最高!
1作目に増して、ロッサナ・ポデスタのジョルジアちゃんが、峰不二子のルーツであることを証明してくれる大活躍ぶり。
相変わらず無駄な着替えがやたらあって、これまた最高!
マシンガンや各種兵器がガンガンぶっ放されるも誰一人として人が死なない。
まるで「人死になんて野暮」と云いたいかのようにスマート。
そんな非現実的な世界観に好みは分かれるかもしれないが、繰り返すが私は好き。
ヘタしたら個人的には前作以上に愛すべき作品。
ストーリーがやや退屈であるのも美徳のうちとも思えてくる。
最高の賛辞を差し上げる。
二回目は広川太一郎の吹き替え版で見ることにしよう。きっと楽しささらに倍増!
2010.07.11.Sun(00:00)
『ゴッドファーザー』(1973)監督:フランシス・F・コッポラ
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いや、そりゃもう堪能しました。
3時間近い内容、長く感じなかったもの。
堂々たる内容だね。
マーロン・ブランドの演技、マネしたくなるよね。できんけど。
好きなシーンはじいちゃんと孫が柔らかい光の中で遊んでいるところかな。
難癖をつけるとすれば、マイケルの行動原理がいまひとつしっくり腑に落ちなかったかも。
アル・パシーノ自体の名演は認めるものの。
2010.07.08.Thu(00:00)
『座頭市』(2003)監督:北野武
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娯楽作だね。
たしかに面白いんだけど、なーんか惜しいなあ、ところどころ。
大筋はいいんだけど細部がねえ、って感じ。
なんだろう、いっそあと20分程短くしてしまっても良かったのかも。
いや、ちゃんと殺陣もタップも堪能したんだけどね。
ミュージカルぽくなるとことか、結構好きだよ、個人的には。
あと大好きな大楠道代の出番が結構多くて堪能致しました。
2010.07.07.Wed(00:00)
『ミニミニ大作戦』(1969)監督:ピーター・コリンソン
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面白いんじゃないかと予測して見始めたが全然ノレない。
なんともかったるい展開とわらわら出てくるがちっとも活躍しないキャラクター達に辟易。
ユーモアセンスもピンとこない。
ラストのミニクーパのチェイスシーンが見せ場だが、うーんそれも思ったほどなあ。
このオチもねえ、と散々な評価。
ヘンな主題歌のみ良かったかも。
リメイクは観るべきなんだろうか。
2010.07.06.Tue(00:00)
『誰も知らない』(2004)監督:是枝裕和
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子供を可愛く思い、彼女なりに愛しているのだが、根本的なものが徹底的に足りないという親。
いるのかもしれない、いやいるのだろうな、こうした親が。
育児放棄と虐待、どちらが子供にとってつらいことだろうか。
そんな問い自体、アホらしいね。どっちもつらい。
うーん、映画としては優れているであろうことを否定するものではないが、この題材そのものに困惑を隠すことを禁じ得ない。
現実から目を背けたいということではなく、こうしたこと自体が許せないから、冷静に映画を楽しめない。
それがゆえ、この題材を選び、さらにこうした描き方をしたその手法をあまり評価できないと思った。
観た直後はね。
しかし、こども達の自然な演技を引き出した手腕は評価せざるを得ない。
2010.07.05.Mon(00:00)
『仁義なき闘い 代理戦争』(1973)監督:深作欣二
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三作目。前二作に比べ、情念の部分は控えめにもっぱらパワーゲームを描く。
もちろんその筆致は、淡々と、などというものではないわけだが。
しかしメンドくさい世界よのお。
ラストに至るまでスカッとする部分はなく、この鬱屈は次作以降でちゃんと晴らされるのであろうか、晴らしてくれるんよのお、文太兄ィ、と心配になりながらエンドマークを見る。
それでももちろんおもしろい。