2010.08.31.Tue(23:26)
『真夜中のカーボーイ』(1969)監督:ジョン・シュレンジャー
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えーと、いわゆるアメリカン・ニューシネマってやつですね。
なんの予備知識もなく観たのだけれど、確かに『イージーライダー』や『卒業』に共通するものを感じる。
前半は主題歌(ニルソン「うわさの男」)に聴き惚れつつも何に焦点を合わせて観ればよいのかわからず、いささかボンヤリと観ていたのだが、この時代特有の突然のサイケ描写を挟んでの後半あたりから次第に惹き込まれた。
行き場所がないという焦りは根拠のない救済を人に信じさせる。
都会は寒いしさあ、なんだかあれこれうまく行かないから南に行こうじゃないか。
とマイアミを夢見るニューヨークの生活に疲れた青年達。
行けばなんとかなるよ。
と脳天気な気分にさせつつも、結末はやはりそんなわけにもいかないのだ。
薄汚れていても不思議な魅力のある人物を演じるダスティン・ホフマンの演技が魅せる。
ジョン・ヴォイドも思慮は足りなく粗雑だが、朴訥で人のいい田舎者の兄ちゃんの雰囲気が良く出ている。
あ、そうか、この人アンジェリーナ・ジョリーの父ちゃんだ! 忘れとった。
あと、映画前半のちょっとしたシーンに、「ウルトラマン」の映像がちらっと映り、スカイドンとジャミラに遭遇したのにはビックリ。
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2010.08.30.Mon(23:45)
『悪夢探偵』(2007)監督:塚本晋也
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『鉄男』は好きな作品で、これは間違いなく『2』まで観た。
ま、最初のやつの方が好きだけど。
新作はまだ観てない。
あと、『ヒルコ』も観たな。これも割と好み。
以来すっかりご無沙汰で少しずつ観ていこうと思っている監督。
で、今作。
期待させるなにかは感じられたので、じりじり見続けたが後半これダメだ、となった。
不気味な者がはっきり形をとって監督自身の役として現れたあたりからかな。
あと松田龍平、悪くはないんだが、あまりおいしい主役じゃないね。
hitomiを観るための映画といってもいいと思うんだけど、それならばもっとこういろいろ...とも云いたくもなる。
かっこいいんだけど役者としては棒なんだから。
残念ながら魅力を堪能するところまで味わえなかったなあ。
2010.08.29.Sun(23:28)
『天国と地獄』(1963)監督:黒澤明
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小林信彦のエッセイなどで誘拐劇としての前半の流れはボンヤリと前知識としてはあったのだけれど、そのくだりが終わってまだDVDプレーヤーのゲージが半分以上残っているのに驚く。
後半の展開はまったく知らなかったので(単に目にはいってなかっただけかもしれないが)純粋にドキドキしながら観ることができた。
筋だけ追うと、結構、強引でいびつな作品のような気もする。
犯人の動機や行動にいまいち深みがない気がするし、迎え撃つ警察側もその執念の深さが一種の綺麗事過ぎるきらいがないではない。
冒頭の権藤邸内における権力闘争シーンもセリフがいささか説明的に過ぎ、舞台劇的な平板さを感じた。
いや、それだけにそんな瑕瑾をものともしないストーリーの進め方や映像表現の巧みさが余計に凄く感じられるのかもしれない。
黄金町の麻薬窟の描かれ方がなかなか印象的。
共犯の男女が見つかるシーンも地味ながらなかなか凄いよね。
2010.08.27.Fri(23:26)
『TOY STORY 2』(1999)監督:ジョン・ラセッター
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昔、『2』も観たような記憶があったが、これまた観てなかった。
そんなんばっか。
人間、年齢を重ねると記憶力が低下すると同時に怪しげな模造記憶が増えていくもんだねえ。
で、本編、さすがしっかり面白くはある。
でもちょっと全体的に小粒っぽいかなあ。
当初、ビデオソフト向け作品として制作が立ち上がったというのもわかる気がする。(全面的に作り直したらしいが。)
『1』の方が上だね。
いろいろ小ネタが仕込まれていて楽しかったことは楽しかったんだけどね。
ていうか、伝え聞く『3』の内容に対する前フリのようなセリフが多かった。
ええ、『3』は楽しみにしてまっせ。
2010.08.27.Fri(22:19)
『道』(1954)監督:フェデリコ・フェリーニ
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フェリーニも初めて観るなあ。
ニーノ・ロータの音楽は耳に残るし、主演のジュリエッタ・マシーナの演技(表情)も素晴らしい。
と思う。
それはそう思うのだが、残念ながら今の自分の感性に訴えかけてくるものはあまり感じられなかった。
修行し直して参りますとでも云いたくなるぐらいに。
おまけ映像でついていた淀長先生の解説の方が面白いんだよなあ。
でも良く聴いていると微妙に内容が違うんだな。こっちは見終わったばかりだからよくわかる。
いろいろ増幅されてるんだろうなあ記憶が。で、それが名調子に繋がってるんだろう。
小中学生の頃、日曜の夜やってた淀長先生のラジオ番組はよく聴いていた、なんてことを思い出したのだが、まったく『道』の感想と関係なくてすまぬ。
またいつか観直すこともあるだろう。
2010.08.26.Thu(23:05)
『悪魔のいけにえ』(1974)監督:トビー・フーパー
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学生の時に観たことがあるような気がしていたが、見始めてしばらく経ってもまったく記憶にない内容なので気のせいであることが判明。初見である。
ざらっとした画質が雰囲気を高める内容の映画で、撮影・編集上の理由でそうなったらしいが効を奏している。
若者達が問題の屋敷に到達するまでも何かと不穏な空気が漂う。
車椅子が転がってしまったりとかの直接筋に関係ないことも、すべてなにか禍々しいものに繋がっているように感じられるのだ。まだ惨劇が始まらないうちにも。
というわけで、個人的にはその前半の方が割と好き。つまりレザーフェイスが出てくるまで。
なんていうと怒られるんだろうなあ。
後半部分はそれほど怖く感じなかった。
レザーフェイスよりヒッチハイカーの方がよほどコワくないかね? そんなことない?
ただ後半部分になっても、恐怖する目のアップ連写と、鈍い光の中チェーンソウが舞い踊るラストカットはいいね。
2010.08.24.Tue(23:40)
『(500)日のサマー』(2009)監督:マーク・ウェブ
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『インセプション』を観て一番印象に残ったジョゼフ・ゴードン=レヴィット主演作ということ以外にほぼ予備知識なく見始めた。
恋愛映画であろうことぐらいは見当をつけていたわけだが、冒頭でこれはラブストーリーではないとナレーションが流れる。ボーイ・ミーツ・ガールものではあるが、と。
じゃあラブストーリーではなく何なのかとずっと考えながら観たのだが結論は出ず、そもそもそんなことは途中でどうでも良くなった。
これは傑作。
細かく各シーンごとに時系列が往き来する、本来なら見せ方が相当難しい作品だが、そこに複雑な意味を持たせずあくまでセンスでまとめている(かのようにみえる)ので胃にもたれず、非常に見やすい。
それもまたひとつの才能であろう。
かといって表面的で薄っぺらな内容をセンスでまとめているだけというわけではなく、観る者がそれぞれの恋愛経験に照らし合わせつつも、恋するとは何か、恋愛関係とは何かについてもそこはかとなく思いを巡らすことができる。
それでも途中でいきなり踊り出しちゃう映画がキライだという人は観てはイケナイ、のかなw。
僕は「You make my dream」のイントロが流れてきた時、ゾクゾクしてしまったけどね。
他にも楽曲の使い方が素晴らしい。
とりあえずサントラが欲しいし。
そうかミュージックビデオ出身の監督なのね。
そして彼が次の「スパイダーマン」を撮る、と。
なるほどいいんじゃなーい。ついでにJ.G.Lがピーターをやればいいのに!
2010.08.23.Mon(00:20)
『ターミネーター2』(1991)監督:ジェームス・キャメロン
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え! これ観てなかったんですか? と真顔で問い返されるシリーズ。
そうそう初見ですよ。
いやまだまだあるよ、こういうの。これからもどんどん出てきます。お楽しみに!
さて本編。
しかし、なんちゅう話や。という感想。
サラは勇壮を通り越してキ印入っちゃってるし、子供も悪ガキなのか純粋なのかいまひとつよくわからないゆるいキャラ設定だし、途中出てきたコンピューター開発者は可哀想としかいいようのない事態に追い込まれるし、いやこれシュワちゃんのキャラいくら変えたとか云ってもなかなか感情移入できんよ。
ま、個人的には一番サラの行動に引いたんだけど。
T-1000のSFXもねえ、まあ今になって観てもねえ、という。
最後はまた工場かよ、ってのもあるし、続編なのかリメイクなのか語り直しなのか焼き直しなのか混然となって判別がつかん、という気もする。
と、あれこれ悪態をついたけども、まあ、しかめつらして観たわけじゃあない。
一級の娯楽作だし、当時観てれば熱狂したかも。
2010.08.22.Sun(22:00)
『カールじいさんの空飛ぶ家』(2009)監督:ピート・ドクター
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映画を観なかった時期にも、家に子供がいるせいかPIXER関係はそこそこ観てきたなあ、と。
でもまだモレがある。
評判が良かったこの作品も結局今まで延び延びに。
非人間キャラに逃げずに人間の表情の微細な表現をも完璧に再現し、一方では美麗な背景を現出させた技術にとにかく脱帽。
誰もが感じるように冒頭からの流れるような筋運びは秀逸。
あれで一気に惹き込まれる。
しかしながら後半の活劇シーンには、それなりにハラハラしながらも特に独自性はないかなあとも。
とはいえ、冒険アルバムに見事に折りたたまれた内容には感心するほかない。
この作品に関しては、2は作らないでね、と言っておこう。
2010.08.22.Sun(00:03)
『十三人の刺客』(1963)監督:工藤栄一
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リメイク版公開の前に一応観ておくかのう、ぐらいの感じでふわふわと見始めたが、次第に惹き込まれラストのバトルまで釘付け。
とはいえそこかしこに勿体なさ/物足りなさを感じたのも事実で、いかに『七人の侍』が凄かったかを証明してくれるかのような、結果としては傑作になり損ねた作品かと。
千恵蔵、嵐寛といった東映のエラい人がちゃんと出てくる映画を観たのはほとんど初めてだが、存在感はさすがに感じられるものの、後半のガチャガチャッと動くシーンの中では、いささか動きが物足りない。静と動の対比を狙ったわけでもないだろうし。
見終わった後、三池版『十三人の資格』のトレーラーと配役を見た。
バトルシーン、オリジナルにはない爆薬仕込んで迫力増加してる感じ。
で、千恵蔵の役は役所広司になったことで後半での動きが増すならば、さらに期待できるかも!
で、稲垣吾郎がバカ殿役なのか。これはなかなかナイスキャストになってるんじゃないか。
というわけで割と期待している。