2010.12.28.Tue(19:15)
『ローラーガールズ・ダイアリー』(2009)監督:ドリュー・バリモア
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一見、紋切り型にみえなくもないストーリーだが、その描き方は紋切り型に収まっていないと思う。
エレン・ペイジの持ち味がよく出ており、『JUNO』同様、特異な女優だなあと改めて思わされる。
そしてローラーガールズ達の面構え、立ち居振る舞いも最高だ。
でも幼心に見た『日米対抗ローラーゲーム』はもっと迫力あった気がするがなあw。
あと、ドリュー・バリモア絡みでのこの映画に対する評価は、現在の自分にはできないのでパス。おそらくファンや彼女の経歴をよく知るものにとってはさらにおもしろさ倍増であろう。
個人的には、劇中かかった38 Spesicalの”Caught up in you”に心鷲掴み。
超、好きな曲なんで。
最近、この手の映画で80年代ヒットがぽーんと劇中でフィーチャーされてることが多いのか、『(500)日のサマー』ではホール&オーツのYou make my dreamsに魂持って行かれたなあ。
単純ですみませぬ。
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2010.12.28.Tue(19:00)
『レポゼッション・メン』(2010)監督:ミゲル・サボクニック
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ジュード・ロウ主演。
人工臓器ローン販売が常習化した近未来、臓器回収屋が滞納者を取り立てるのが日常。
取立は厳しく、払えなければ現物没収。有無を云わさずあらゆる手段で行われる。
その結果、滞納者が命を落とすことになろうとも。
その回収屋がひょんなことから人工臓器を付けるハメになり、やがて取り立てられる側に回って...、というお話。
スタイリッシュな映像とタイトな編集で楽しめるSFサスペンス娯楽編だが、その実、クレイジーかつアブノーマルな映画であることがクライマックスでわかる。
ひとつの異様な愛のかたちを見せてくれるのだが、そこに関して成功してるかどうかは微妙かな。
けれどテンポもいいし、オチもありがちとはいえ決まったし、これだけ楽しませてくれれば特に文句はない。
2010.12.27.Mon(19:30)
『死霊のはらわた』(1981)サム・ライミ
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これまた初見。
いやあ、あまりにもスゴくて後半退屈になったほどw。
わかったわかったもうわかったよ同じじゃねえかっ! ていう感じ。
いや、これソコソコの誉め言葉でして、面白かったけどね。
怖いというよりゲラゲラ笑って観ることができるホラーなんだね。
.....えーと、見方として間違っておりますでしょうか?
しかしやりすぎだろ! まったく。もっとやれ!(笑)
2010.12.27.Mon(19:15)
『イレイザーヘッド』(1976)監督:デヴィッド・リンチ
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リンチ経験は『ツインピークス』と『ブルーベルベッド』ぐらいしかない。
どちらも強烈に好きな作品だが、例によってそれ以外の作品はまだ観ていない。
というわけで楽しみにしていたリンチ作品のパンドラの箱を開けることにする。
まずは長編デビュー作のこの作品。
いやー、子供の頃に観てたら間違いなくトラウマになるね。
それなのに何度も観たくなる。
実際思わず続けて2回観てしまった。
この時点で既に独特かつ強烈な世界造型。
モノクロ作品だが、カーテン出てきたら赤にみえるし。
しかしあの赤ちゃんの「作り物にはとても見えない度」は異常なレベルだなあ。
CGのない時代なだけに不思議でならんし、また悪い想像もしたくなる出来映えである。
2010.12.27.Mon(19:00)
『NINE』(2009)監督:ロブ・マーシャル
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実は密かにミュージカル好きだったりするので劇場で予告を見てからずっとキニなっていた。
これを観るために下敷きになった『81/2』を観たといっても過言ではないw。
ま、観終わった後でその必要はなかったとは思ったけどね。
で、この作品、さほど評判は良くないわけだけど、それなりに堪能した。
ミュージカルシーンそのものは地の部分と少しギクシャクした感もありけしてキレイに流れているとは言い難いのだけど、それぞれ女優がみんなキレイに映っており楽しめる。
マリオン・コティヤールも『インセプション』でのコブの奥さんの時よりずっと美しかったし。
個人的にはペネロペ・クルスにはノックアウトされたよチクショー!
曲も悪くない、と思った。
ただ思っていたより、映画全体としてはあまり後に残らないわ。
ぼーっと観た筈の『81/2』の方がまだなにかしら印象が残っている。
2010.12.20.Mon(19:00)
『未来世紀ブラジル』(1983)監督:テリー・ギリアム
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この作品、当時ビデオで観た。
当時、怪しげなビデオレンタル店では日本公開前に出回っていた海賊品がちらほらと置かれていることがあったが、たぶんそれでだと思う。
今でもカタチを変えてその手のものがまだ流通してるようだが、当時は何故公開前にレンタル屋にそのようなものが置いてあるのか、いまいちピンと来ずにわけもわからず借りていたように思う。
他には『エイリアン2』とかもその手の海賊レンタルで観たような気がする。
で、この『未来世紀ブラジル』、そんなビデオで、しかも当時自分の部屋にあったちっちゃな画面のモニターで一度観たに過ぎないのだが、傑作であるという記憶ばかりが強烈に残り、筋やそのほか細部は一切忘れてしまっていたので、どこかでこの映画の話題になるたびにムズがゆいような気持ちになることがしばしばであった。
このたびようやく、以来二十数年振りに観たが、改めて超弩級の傑作であると実感。
画面に映るひとつひとつのシーン、あるいはオブジェクトであり構図でありギミックであり、が愛おしくて仕方がない。
僕にとってこれこそが映画であり、他の娯楽では味わいきれない要素がすべて詰まっている密度の高い夢の結晶であるとまで思い詰めた。
ブラックでシニカルなユーモアーが散りばめられたシナリオも素晴らしいと思うものの、実際それが「現代の管理社会に対する痛烈な皮肉」かどうかはほとんど僕にとってはどうでもいいことである。
そのモチーフが奔放なイマジネーションと独特のビジュアルとによって見事に映像化されていることそのものが、素晴らしいと思う次第である。
再確認できてこれで安心してギリアムをバリバリ楽しむことが出来るので、嬉しくてたまらない。
2010.12.16.Thu(21:00)
『ロング・グッドバイ』(1973)監督:ロバート・アルトマン
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だいたい僕がDVDを見始める午後9時あたりというのは、個人的には一番眠気が高まる時間帯である。
それを過ぎてしまえば深夜まで眠くなることはまずないのだが、9時の睡魔が一番の難敵である。
だから、DVDを見始めてしばらくが、眠気地獄に陥るか、スパッと目が覚め作品に入り込めるのかの瀬戸際なのである。
で、これに関してはこの日の体調もあり、見ていて眠たくてしょうがない。
期待していた作品なのだがちっとも入り込めないのだ。
ほとんど最後のほうの10分ちょっとを残すばかりになったところで潔く諦めて次の日に廻すことに。
この作品、いわずとしれたレイモンド・チャンドラーの名作『長いお別れ』を原作としている。
実はこの原作の大ファンで、本を読み返すことをあまりしないこの僕が3度以上読み返しているという希有な作品でもある。つい先日も村上春樹訳を読んだばかりだ。
それがどうもいけなかったようだ。
アルトマンはこれを映画化するにあたって、ストーリーそのものはほぼ踏襲したものの、時代設定やらキャラクター設定を大きく変えるという選択をしているのである。
冒頭のマーロウが猫と戯れる名シーンも、原作ファンからすると「マーロウが猫飼っているだと? なにそれ。」ということになるのだ。
で、次の日、結局全部見直したのだが昨日の感想とまったく異なりすっかりお気に入りに。
「原作」というこだわりを捨てたらすんなり映画に入っていけたわけだ。
別に「ギムレットにはまだ早すぎる」という名台詞を待ってたわけじゃないんだけどネ。
ま、原作もそうなのだがミステリとしての興味はあまりない。
マーロウの事務所の隣に住むのよくわからないネーちゃん達とか、意味もなく裸になるヤクザ達(若き日のシュワちゃん登場)とか、なぜ殴られたお嬢ちゃん?とか、おいおいそこでどうして車に轢かれた?とか、細部が楽しい。
結末をはじめとして原作との違いはあれこれ甚だしいわけだが、本筋と関係ない細部へのこだわりというという意味においては、立派に原作を踏襲しているという見方もできるだろう。
少し不思議な魅力を持った作品だった。
2010.12.13.Mon(19:15)
『自殺サークル』(2002)監督:園子温
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アングラサイトという(おそらく当時としても手垢のついた)陳腐な設定、アイドル出や子役上がりの拙い演技と中堅俳優のリキの入った演技が入り交じったアンバランスさ、唐突なROLLY(寺西)のミュージカルシーン、意味ありげに観る者に語りかけられるメッセージ、血糊、安い特殊(キズ)メイク、売れそうにない架空のアイドルグループ...。
これらが雑然と、ある面では意図的に放り込まれてまったく整理がつかない内容ながらも、不思議に最後まで見せられる。
露悪的といえばいいのか、フェイクでキッチュな感覚を散りばめつつも、ある種強引な筋展開で求心力を維持するのがこの監督の持ち味なのだろう。
『愛のむきだし』ではそれが奇跡的な昇華を果たしているのだが、まだここでは完全に成功しているとはいえない。
それでも何かを果たそうとしている試みを垣間見ることはでき、魅力の一端は感じることができる。
続編というべき『紀子の食卓』(2006)がどうなってるのか、興味津々だ。
出演陣では石橋凌はまだ奮闘しているが、永瀬正敏は精彩を欠いているようにみえた。
ちらっとしか出てこないが余貴美子の存在感、包容力の表現の豊かさには舌を巻いた。
2010.12.13.Mon(19:00)
『ハロウィン』(1978)監督:ジョン・カーペンター
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有名どころのホラーはまだほとんど見ていないので、これもまた名のみ聞く作品であった。
「13日の金曜日」系のホラーの元祖とも呼ぶべき作品のようだ。
引っ張って引っ張ってどうなることやらと思っていたら思いのほかホラーシーンそのものは結構淡泊だったなあ。
編み物棒とか針金ハンガーとかであっさりヤられちゃうブギーマンがなんだかおかしい。弱っちいなあ。
でもその都度復活してきて、ま、不死身なんだけど。
その不死身であること以外は超常性を廃した演出がキモかな。
でもやはりざっくりだな、カーペンター。
個人的にはあんまし怖くなかったなあ。ま、それに関しては個人差、見た環境の差等々あるからなんとも云えないけどね。
あ、ジェイミー・リー・カーティスは良かった。人気があるのも頷ける。
2010.12.09.Thu(19:15)
『フロム・ダスク・ディル・ドーン』(1996)監督:ロバート・ロドリゲス
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『レザボアドッグス』と『パルプ・フィクション』の二つを見た限りでは、タランティーノが自分にハマるかどうかまだ半信半疑の状態である。
どちらも大変面白かったんだけど、饒舌に過ぎる部分がちょい気になる。
で、盟友として語られることの多いこのロバート・ロドリゲスはどうなんだろう、と気になってはいた。
ツイッター仲間周辺ではファンも多い監督だし、撮ってるラインナップはそそられるものが多い。
で、とりあえずはこれから、と前知識ほぼゼロで見始めてみた。
いやこりゃ参った。
サイコーじゃないすか。
全然内容を知らずにいたのに、直前で梗概だけwikiでちらっと見てしまって失敗だったなあ。
真っ白な状態で見たかった。
それでも充分驚いたけどね。
てわけで、真っ白で観たい未見の方は以下スルー推奨。
前半の手に汗にぎるクライム・アクションが一転、ひょんなことからアレアレという間に吸血鬼ものホラーに。
特殊メイクを施したゾンビ・ヴァンパイアがぞろぞろ登場し、それまでのシリアスなクライムアクションの登場人物をガンガン襲い始めるのだ。
トム・サヴィーニが出てる時点で、怪しいと思うべきなのだろうか。
あまりにも突然、映画のテイストが変化するので、わかっていても唖然とする。
唖然、を通り越して憮然とする向きも多いようで、ここを呆れて認めないか認めてゲラゲラ楽しむかで、この作品への評価が大きく変わってくるようだ。
その転換の舞台となる夕暮れどきから夜明けまで(From Dusk Till Dawn)やってる「TITTY TWISTER」っていう無法者ライダーどもの集まる酒場に主人公達が到着してからのシーンがメチャクチャカッコいい。
セリフ、カメラ割り、イイ顔のバーテンダー(ダニー・トレホ)、ネエちゃん達のパイオツ、かかってる曲、すべてがビシーッと決まって、この映画一番の大仕掛けに備えるのだ。
ちなみにここでかかる曲、ティト&タランチュラのAngry Cockroachesという曲であることが判明したのだが、好きすぎてサントラをゲットした。
物語自体は、なんじゃそらーっ!という状態のまま終わっていくわけだが、オッケーオッケー。堪能した。お腹いっぱい。