2011.05.17.Tue(19:15)
『パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト』(2006)監督:ゴア・ヴァービンスキー
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続編。
うん、これは間髪いれずに観た方がいいシリーズかもしれんね。
ここにきて改めて、ジャック・スパロウは主人公とかではなくトリックスター的存在であると了解できた。
彼を狂言廻しにしたテーマパーク的ギミック満載の娯楽作で、まだやるの? ってぐらいギチギチに詰め込んである度は一作目以上。
なにやらワイワイ 楽しげで目まぐるしく面白く観たけど、見終わっても何も残らない。内容すら見たはしからどんどん忘れていくような。
それはそれで尊重すべきことのような気もするのだけどね。
2011.05.17.Tue(19:10)
『パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003)監督:ゴア・ヴァービンスキー
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みんなが知ってる一大人気シリーズだが例によって初見。
とてもわかりやすくきちんと楽しめるのだが、それだけにもっと面白くなってもいいとも思ってしまう。
アミューズメント要素がインフレを起こしているというか。
そしてあのとってつけたようなラストにはまったくもって納得できんのだが、ま、そこまでか、とヘンに諦めがつく感じもあり。
全体としては楽しいからいいじゃん、という感じ。キライじゃない。
しかし、実際映画で動いているところを観てみても、ジャック・スパロウはいい具合にキャラクター化していて、ある意味着ぐるみといっていい出来。
そりゃシリーズ化するわな。
2011.05.17.Tue(19:05)
『丹下左膳余話 百萬両の壺』(1935)監督:山中貞夫
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名匠と名高い山中貞夫の作品、初体験。
正直、あまりに古すぎて、自分がこの作品を十二分に楽しめるか不安があったのだが、まったくの杞憂であった。
まず、カットの繋ぎ方が実に粋。
時代がゆえか技術的にはブツ切れに近いようなもののだが、意味的タイミング的には絶妙といえる。
そしてその積み重ねがこの希有な作品を支えているようにみえる。
その意味では終盤部に明らかな欠落があるのが残念。
ラスト近くの大立ち回りがバッサリとなくなっているようなのだ。(後に音声を除いてフィルムは発見されているらしいが)
しかし大河内左膳、実に格好いいなあ。
この作品自体は左膳にとっては異色作ということになるようだが、それでもモンスターヒーローの極北であることがしっかりと認識できた。
2011.05.17.Tue(19:00)
『ショーン・オブ・ザ・デッド』(2004)監督:エドガー・ライト
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『スコット・ピルグリム VS. 邪悪な元カレ軍団』が公開されるということで、エドガー・ライトどんなもんじゃい、と、一部で人気の高いこの処女作をとりあえず鑑賞。
なんじゃこれ。
めっちゃ面白いじゃん。
ゾンビ映画の定石をしっかり押さえた痛快なコメディ。
わかってらっしゃる演出とそのテンポ、小ネタの入り具合、ギャグと選曲のセンス、あらゆることが個人的なツボに入った。
トボけたブリティッシュ・コメディのテイストのみならず、お話自体も割としっかりしてるので観ていて満足感がある。
某イギリス国民的バンドの曲を使ったギャグに大笑い。
さらに同バンドの別の曲をラストシーンでも絶妙に使っていてシビれるんだな、これが。
他にもダイアストレイツの所とか音楽好きが吹き出す小ネタがチラホラ。
ホラーが嫌いだから観ないって人はもったいない! 怖くないんで(多分)、是非ご覧あれ。
2011.05.06.Fri(19:10)
『八日目の蝉』(2011)監督:成島出

原作は未読、NHKドラマ版も視てなくて予備知識最小限で臨んだが、結果的に良かった。
いや、原作付きの映画に関していわゆる『読んでから観る』派と『観てから読む』派に分けると、長年絶対的に前者だったのだが、今回、読まずに観てみてそれも悪くないな、と。
読んでからだとどうしても原作と比べてしまい、細部の違いや部分がどう処理されてるかなんてことばかり気になる傾向にあり、純粋に映画に入り込めないきらいがあると今更ながらに感じたりして。
映画は、147分と長いがそれを感じさせない。
間違いなくアカデミー賞作品賞ノミネート級ではあろうし、永作博美は主演女優賞候補に充分なるだろう。
明るい話ではないし(かといってどんより真っ暗ということではない)、不倫の末の赤ん坊さらいという設定自体が受け入れられないという向きもあろうが、巧みな脚本と丁寧な描写で観客を主人公二人に感情移入させることに成功している。
挿入歌等のセンスも良く、感動の押しつけも最小限で品の良い作りと個人的には思ったが、クライマックスの高まりをいささか冗長でわざとらしく感じる人がいるというのもわからなくもない。
この「泣かせ」を強引と取るか上品と取るかに関しては、もっとベタベタなのは他にたくさんあるじゃん、というのが僕の意見。
でも、ラストでかかる中島美嘉の主題歌が若干、そうしたTVの2時間ドラマ的な地点に引き戻しちゃってる感があるかも。
曲自体は悪くないんだけどね。
作中では、永作が逃げ込む「エンジェルホーム」(「ヤマギシ」とかを思わせる)の独特の雰囲気(エンジェルさんの余貴美子の演技含め)の造型や、美しく懐かしい小豆島の情景とそこに佇む写真館の存在が深く印象を残す。
特に、写真館店主役の田中の存在感が凄く、力のある役者陣の演技が積み重なるこの映画の中でもその短い登場シーンは白眉で、思わず画面に食い入るほどであった。
2011.05.06.Fri(19:05)
『悪人』(2010)監督:李相日
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昨年劇場で観たが、家人とDVDにて再見。
感想としては、初見の時以上に主人公二人に意識が行かず、もっぱら樹木希林と柄本明の演技中心に観てしまう。
やはりその二人の登場するカットで素晴らしいものがいくつも。
なかでも今回観てベストと思ったのは、峠の現場で柄本の父と死んだ満島ひかりの娘が交錯する雨のシーンかな。
宮崎美子が慟哭するシーンも胸にせまるけど。
前回の感想はこちら。
2011.05.06.Fri(19:00)
『ラウンダーズ』(1998)監督:ジョン・ダール
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マット・ディモン主演のポーカーを巡るギャンブル・ストーリー。
エドワート・ノートンが少々ファナティックな役どころで脇を固める。
主軸を成すポーカーを巡るストーリー自体は、まあそう展開するだろうという通りに進行し、全体的にも大きく逸脱することなくこぢんまりまとまっている感じ。
ただ、敵役のジョン・マルコヴィッチ始め出てくる役者陣がモノクロの物語を実にいい色に染めている印象。
告白しとくとマルコヴィッチが出てくる映画を観るのは初めて。名のぞ知っていたがやっとお会いできましたね、という感じw。
ラストのカードバトル含めて映画版『カイジ』思い出しちゃったけど、もちろん全然別物。
まずまずの快作、という感じ。
2011.05.02.Mon(19:20)
『チャイナタウン』(1974)監督:ロマン・ポランスキー
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実はほとんど前情報なしで観たのでハードボイルドとはしらなんだ。
ていうか『チャイナ・シンドローム』と間違えて観始めた疑いがw。知識ないってコワイね。
しかしながら、ジャック・ニコルソンの演技に導かれ、たちまちこの映画の世界観に惹き込まれた。
しっかりと構成された一人称の私立探偵物語を観たという満足感。
また、脚本家と監督で意見が分かれたという、ラストの展開とその余韻が半端なく胸に迫るね。
見応えあり。
2011.05.02.Mon(19:15)
『唇からナイフ』(1966)監督: ジョセフ・ロージー
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オシャレでちょっとコミカルなスパイアクションを予想していたがちょっとアテが外れた。
ま、フレームとしてはそうなのだが、話の展開はまったく先が予想できず、というよりなにがなんだかという部分もあり、一筋縄でいかないヘンな映画であった。
カルトムービーということだね。
画面からはセット、ファッションを通じ、また物語の作り的にもある種の贅沢さ(機能的ではない部分)を感じ、この時代(1966)が一番いろんな意味で豊かだったのではと思ったりして、その意味でもかなり堪能して観た。
筋立て中心に観ようとしても置いてかれそうになる一方だが、観方を変えるとそこかしこが面白い!
特にラストのアラブの軍団が島に乗り込んでくるシーンのハチャメチャさは筆舌に尽くしがたい。
2011.05.02.Mon(19:10)
『ゾンビランド』(2009)監督:ルーベン・フライシャー
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いわゆるホラーではないゾンビ映画。
コメディタッチの童貞物や軽快なバディ物の要素を含みつつほのかなロマンス風味を振りかけ、バラエティタッチ豊かに、しかもゾンビハントの爽快感もしっかり味わえる盛り沢山さ。
キャストも人数が絞られていて見やすく軽快で楽しい作品。
某スターを使ったギャグとかそこそこおかしいし、過剰な期待をしなければ充分満足できる出来。
しかし「ゾンビランド」とはクライマックスの主舞台となる遊園地を指すのみではなく、日常的にゾンビのいるここの非日常な世界そのものを指しているのだろう。
主人公達はこの世界を明らかにテーマパーク/サバイバルゲーム的に楽しんでおり、ゾンビ映画に特有の緩慢な悲壮感はない。
その意味では「2」も簡単に作れるな、これ。やるみたいだけど。