2010.12.16.Thu(21:00)
『ロング・グッドバイ』(1973)監督:ロバート・アルトマン
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だいたい僕がDVDを見始める午後9時あたりというのは、個人的には一番眠気が高まる時間帯である。
それを過ぎてしまえば深夜まで眠くなることはまずないのだが、9時の睡魔が一番の難敵である。
だから、DVDを見始めてしばらくが、眠気地獄に陥るか、スパッと目が覚め作品に入り込めるのかの瀬戸際なのである。
で、これに関してはこの日の体調もあり、見ていて眠たくてしょうがない。
期待していた作品なのだがちっとも入り込めないのだ。
ほとんど最後のほうの10分ちょっとを残すばかりになったところで潔く諦めて次の日に廻すことに。
この作品、いわずとしれたレイモンド・チャンドラーの名作『長いお別れ』を原作としている。
実はこの原作の大ファンで、本を読み返すことをあまりしないこの僕が3度以上読み返しているという希有な作品でもある。つい先日も村上春樹訳を読んだばかりだ。
それがどうもいけなかったようだ。
アルトマンはこれを映画化するにあたって、ストーリーそのものはほぼ踏襲したものの、時代設定やらキャラクター設定を大きく変えるという選択をしているのである。
冒頭のマーロウが猫と戯れる名シーンも、原作ファンからすると「マーロウが猫飼っているだと? なにそれ。」ということになるのだ。
で、次の日、結局全部見直したのだが昨日の感想とまったく異なりすっかりお気に入りに。
「原作」というこだわりを捨てたらすんなり映画に入っていけたわけだ。
別に「ギムレットにはまだ早すぎる」という名台詞を待ってたわけじゃないんだけどネ。
ま、原作もそうなのだがミステリとしての興味はあまりない。
マーロウの事務所の隣に住むのよくわからないネーちゃん達とか、意味もなく裸になるヤクザ達(若き日のシュワちゃん登場)とか、なぜ殴られたお嬢ちゃん?とか、おいおいそこでどうして車に轢かれた?とか、細部が楽しい。
結末をはじめとして原作との違いはあれこれ甚だしいわけだが、本筋と関係ない細部へのこだわりというという意味においては、立派に原作を踏襲しているという見方もできるだろう。
少し不思議な魅力を持った作品だった。
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