2011.09.09.Fri(19:30)
『イップ・マン 序章』(2008)監督:ウィルソン・イップ
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噂どおり、これは面白い。もっとあれこれカンフー映画の経験値増やしてから観ようとか思ってたのだけど、いやいやそんなこと関係なく存分に楽しめた。
二枚腰のストーリーや鮮やかなアクション、俳優達の演技に画面の質感・撮影、どれをとっても申し分なし。ラストに関してはちょっとたたみかけ過ぎたかなあという気もしないでもない。
そこまでが情感含めて丁寧に描いているように思えただけに余計に。
あと、敵役として日本人の描き方がやや中途半端だったように思う。
渋谷天馬演ずる佐藤が憎たらしい敵役を一手に引き受けてはいるものの、彼は池内博之演ずる三浦の下の小物に過ぎない。
三浦が敵役ながらも武士道精神を兼ね備えた人間として描かれているだけに、悪役成分が足りないのだ。
ナショナリズムであれなんであれ、ここで「日本人憎し」という大前提がないと、イップマンの物語後半における変容とそこから生じる「怒りの鉄拳」が生気を携えないのではないか。
あちらの人には染み渡った前提条件なのだろうが、現代日本の我々にとっては歴史認識の如何に関わらず、ここに登場する「悪役」日本軍はある種ファンタジーの存在として受けとめざるを得ないので、しっかりその属性を描きって欲しい、とは思った。
いや、日本人としてはらわた煮えくりかえるかもしれんけどw。
瑕瑾の部分をごちゃごちゃ書いたが、それ以上に素晴らしい要素をたくさん含んでいるので是非多くの人に観てもらいたいと思う。
続編も楽しみである。
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