2011.11.24.Thu(19:25)
『ミッション:8ミニッツ』(2011)監督:ダンカン・ジョーンズ
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同監督の前作『月に囚われた男』と同様に何かに「囚われた」男の話であり、作品として双子のような関係にあるともいえる。アップを多用した映像とテンポの良い進行に終始引き込まれ、仮のラストでホロリとさせられた。ちょっとあざといようでもあるけど、ここに至る話の持って行き方はサブキャラの使い方含めてなかなか卓越していたと思う。
ここで終わってもいいのでは、と思わせたがその後を続けたのがこの監督の真骨頂であり、この作品を単なるおとぎ話で終わらせていないところであろう。僕は鮮やかな映画だと思ったが、ネット上で感想を散見するにタイムパラドックスがどうのと文句をつけている人をちらほら見かけてガッカリする。
リフレイン系の話には違いないんだけど、過去を改変して云々という話ではないはずなんだけどな。時間はテーマではあるのだが仕掛けではない、というか。パラレルワールドではあるんだろうけど。
ただそのあたり、SFにあまり慣れていないとわかりにくいと言われればそうなのかもしれない。
あと、サスペンスチックなこの邦題で確かに客は呼べたかもしれないけど、原題「Source Code」の方がよりシンプルで含蓄の深いタイトルだよなあ、やっぱり、と思ったり。
しかしダンカン・ジョーンズ監督、まだ第二作だけどもキッチリ面白い映画を撮ってくれる監督だと実感。しかも実にSFマインドに溢れている。信用できる男だw。
量子力学的なアイディアの取り入れ方で最先端のSF作家グレッグ・イーガンを思わせる部分もあったりしてまさに頼もしい限り。
前作に引き続き今作も、どんどん深みにはまる話になりがちなところを1時間半程度でさらっとまとめてあるところにも好感が持てる。その上で多少モヤモヤ感(余韻)も残すところがニクいなあ、ホント。
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