2010.06.08.Tue(00:00)
『アウトレイジ』(2010)監督:北野武
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またまた試写会に行ってきた。
今週末公開の『アウトレイジ』。
観る前に目にした評は割と絶賛の嵐に近く、結構ハードルの上がった状態で見たわけだが、あまり勢い込んで観るタイプの映画じゃなかったかなあ、と。
題材が題材ということもあって、どうしても『ソナチネ』や『BROTHER』とかと比較して観てしまう。特に僕の場合は最近観たばかりということもあるしね。
それらに比べてもさらに暴力の応酬が徹底的に描かれており、暴力を描くために映画の筋道が考えられているといってもいいぐらいだ。
まさにタイトル通りなわけなのだが。
今作にはまったく緩和の部分がなく、笑いを誘うようなシーンもごく僅かでしかもその直後にはとんでもない暴力が口を開けて待っているのだ。
おちょくりテイストの部分としてはたけしお得意の黒人いじりが中盤で繰り返されるのだが、最後に彼に投げつけられる言葉が、その状況の中では冗談として響かずに後味の悪さを残したり。
全体として、実際、悪い男達のパワーゲームという趣向そのものは、そんなに驚くような展開は見せない。
それぞれの役者の演技を楽しむという面白味はあるのだが、そうすると役柄より役者自体の方が浮かび上がって見えてきて、どうにも映画としての収まりがゴツゴツしているし。
そういうこともあって、まだ四本程見残しているが最近続けて北野作品を観てきた流れの中で、この作品が特に突出しているとは思えなかった。
実際、映画を見終わった後に受けた感銘は、個人的には前作の『アキレスと亀』の方が強いぐらいだ。
それでいて、もやもやしながら帰ってきて、公式HPを開けて人物相関図やトレーラーなどをつらつら観ていると、それが結構楽しめたりして、もう一度観るといいのかなあ、と思ったり。
そう思ってあれこれ振り返ると、確かにいろいろよく出来てはいると思うのだ。
てことで、あまり勢い込んで観ずに肩の力を抜いて観れば良かったかなあ、という冒頭の感想になるのだ。
あと役者陣では、石橋蓮司、加瀬亮が印象に残ったかな。オイシイ役ということもあるけど。
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Comment
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この映画の“なんにも無さ”の極めつけ…というか象徴は、
ラストの友和さんだったように思います。
裏切りと人殺しを繰り返す空疎な面々の中にあって、
一番含みがあるような雰囲気を漂わせいたにも関わらず、
結局は、北村総一郎大親分をトレースするかの如き、
白いマンシング(?)の上下にハーフのグラサンと、
やっぱ何も考えてないことが露呈するという(笑)
残念だったのは、刑務所でのたけしと中野のシーンかな。
あそこだけ、ドラマツルギー突っ込んでるんだよね…。
(カッターナイフも余計な小道具)
あれが無ければマジで最高だったなあ!って思いましたね。
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この映画の“なんにも無さ”の極めつけ…というか象徴は、
ラストの友和さんだったように思います。
裏切りと人殺しを繰り返す空疎な面々の中にあって、
一番含みがあるような雰囲気を漂わせいたにも関わらず、
結局は、北村総一郎大親分をトレースするかの如き、
白いマンシング(?)の上下にハーフのグラサンと、
やっぱ何も考えてないことが露呈するという(笑)
残念だったのは、刑務所でのたけしと中野のシーンかな。
あそこだけ、ドラマツルギー突っ込んでるんだよね…。
(カッターナイフも余計な小道具)
あれが無ければマジで最高だったなあ!って思いましたね。
NAME:舗装蛇 | 2010.06.22(火) 18:10 | URL | [Edit]
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画像認証の調子が悪いようでご迷惑をおかけしました。
刑務所でのシーン、同感です。
体育館裏のシーンで、そう来るかあ、と唸っただけに余計、そう思いましたね。
でも、僕の場合、見た直後よりも時を経るにつれ面白かったような気がしてきています。なんだろう、この感覚。
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刑務所でのシーン、同感です。
体育館裏のシーンで、そう来るかあ、と唸っただけに余計、そう思いましたね。
でも、僕の場合、見た直後よりも時を経るにつれ面白かったような気がしてきています。なんだろう、この感覚。
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